自転車パーツの海外通販情報局

今日は僕の友人の台湾人がやっててたまに僕も翻訳を手伝ってるDragonBikeに...

ときどき海外通販が超激安になる、その理由を解説したいと思う

今日は僕の友人の台湾人がやっててたまに僕も翻訳を手伝ってるDragonBikeにお邪魔していたのですが、そこで以前から疑問に思っていた「台湾などが出処と思われる海外通販の完成車やフレーム、パーツはなぜあんなに安いのか?」という疑問をぶつけたところ、日本ユーザーにとって非常に面白い話が聞けたので書いちゃおうと思います(笑)

工場在庫処分品という謎の存在について

DragonBikeを見たことが有る方は「工場在庫処分品」という謎の記述を見て「何このショップ、怪しいんじゃね?」「バッタモン売ってやがる!」と思ったかもしれません。そういう僕も、いやコレってどういう意味よ?と思っていたのですが、コレこそがまさに海外通販の完成車やフレーム、パーツが激安な理由だったのです。

他の大手通販も同じ商品を売ってるけど特に書いてないだけで~

んで、工場在庫処分品って何なのよ?って話です。

ご存じの方も多いと思いますが、自転車ブランドは1年に1回、販売年度のはじめにその年に売る予定の数量を一気に生産(外注している場合は発注)します。たとえば、某ブランドが2017年に200台の販売を予定していたら、外注の工場に200台の生産を発注します。

んで、この200台が無事売り切れれば良いのですが、ときには売り切れないときもあるわけです。

そうなったとき残りの分はどうなるのでしょうか?
普通に考えると某ブランドは工場に対してもともと200台の発注をしているので当然買い取って、自社で在庫処分すると思うじゃないですか。

でも、じつは違う。

某ブランドはまず最初に自分の代理店に「もっと買ってよ!」と圧力をかけます。この圧力のお陰で結果的に街の自転車店がいらない在庫を引き取らされたりするわけです。

しかし、もともと生産が過剰であり代理店でも引き取りきれなかった場合、某ブランドは代理店がいらないものは買い取らないので工場に在庫として残ってしまいます。

この時点でお金を損しているのは某ブランドではなく工場です。

そこで工場は「いやいや某ブランドさん、発注したんだから引き取ってくださいよ」と催促するわけですが、某ブランドは不良在庫を抱えるだけなので引き取ってくれず、「うん、工場さん。あなたの知り合いで欲しい人がいれば直接処分しちゃっていいよ。OKOK。」

てことになるわけです。
この時点で某ブランドや代理店を経ないで出荷された、本物と同じ商品が出現します。

これが工場在庫処分品の正体なのです。

コレは本物なのか偽物なのか?

この状況を見ての感想は人それぞれだと思います。
代理店を通過しないで販売されているので「これはバッタモンだ」と思う方もいれば、「もし代理店が買っていれば正規品として流通していたのと全く同じもの」だと思う方もいるかもしれません。

僕は基本的に後者のポジションですが。

何故か?
こうすることによって誰も損することがないからです。工場は某ブランドが引き取ってくれなかった商品を処分することができ、某ブランドは不良在庫を抱える必要がなくなり、街の自転車店は無駄な在庫を押し付けられることがなくなり、ユーザーはメーカーが許可した上で代理店を経ないで流通した激安品をゲットできる、みんなハッピーじゃないですか(笑)

唯一、割りを食っているのは代理店。
某ブランドとしては代理店にそっぽを向かれては困るので、おおっぴらに工場在庫を別ルートで処分したとは言えません。このことが、たまに「代理店に問い合わせたら偽物と言われた」という悲劇を生んだりもします。

なんというか業界の闇を覗いた気がします・・・

実はみんな買って、そして売っている

こういった状況、実は台湾ではごく普通の状況だそうです。
それを狙って各大手の海外通販は台湾に「工場在庫処分品」を仕入れるためのオフィスを設置し、日々各工場の在庫を探し求めているとかいないとか。

もちろんコレは海外通販に限った話ではありません。

こういった形で放出された商品は、台湾の商社を通じて(もしかして直で買ってる会社もあるかも)日本にも流通しています。ときどき大手の自転車チェーンとかに謎の在庫処分が登場しますが、もしかしたらこういった経緯で流れてきたものかもしれません。

このとき、おおっぴらに言っちゃマズい話だったりもするので誰もこれが工場在庫処分品だと言わないだけで、実は正規品として普通に流通しているのが実態なのだそうです。・・・

こうなってくるともはや見分けがつきません。

ただし全く同じものとは限らない

とはいえ、いつでも完全に全く同じものかというとそうではありません。

たとえば工場としては激安で在庫処分することも有るので、そういったときは余分な付属品などを付けないで販売したりします。工場で出荷前に一部のステッカーなどを貼る予定であったものが、貼られないまま出荷されたりなんてこともあるかもしれません。

そう言われてみれば海外通販で買った完成車に〇〇がついてなかったということたまにありますよね~

DragonBikeとしては、購入する日本のユーザーに対してわかりやすいようにと「工場在庫処分品」という記載をおこなっているそうなのですが、一方で怪しい商品に見えて逆効果だったりもするので悩みどころらしいです。

上手にお買い物しましょう!

僕も含めて日本のユーザーはこういった状況を知らないため、ちょっとでも違いが有ると「偽物だ!」「おかしい!!」「騙された!!!」という話になってしまい、実は良いものを安く買えるチャンスを逃しているのかもしれません。逆にこういった話を知ってれば、ささいなことで心配を膨らませたりする必要はなくなり、あ、そいういものかと思えるようになるかもしれません。

今回話を聞いて、今まで不思議に思っていたことがかなりスッキリした僕ですが、コレ以外にも疑問は多々あるので今後機会があれば色々調査したいと思います(笑)

ってな情報を書いて大丈夫なのかよくわかりませんが・・・
ほうぼうから怒られそうな気もするのですが、突然この記事が消えたら、「あ、大人の事情があったんだな」と思ってください。

とはいえ、皆さんが楽しくお買い物できる、その参考になれば嬉しいです♪

補足

なお、突っ込まれる前に書いておきますが、僕はこれが全てだと言っているわけではありません。
もちろん、本当に偽物を売るような店がないとも言えませんし、過去に大手の通販サイトが仕入先に騙されて偽物を売ってしまったこともあります。これ以外にもっと謎な流通の方法があるかもしれません。

なので手放しで安心していいとは思ってません。

こういう情報を知った上で、ショップが信頼できるかどうかを判断するプロセスは必要だと思いますので、上手なお買い物の参考知識程度に聞いていただければいいのかなと思います。

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この記事へのコメント(10件) |コメント入力欄へ

凄くためになる記事をありがとうございました。
大体想像はついていましたが細かく理解できて面白かったです。
やっぱりCanyonのファクトリーアウトレット的なものなんですね。
不振が続いたEddy Merckxの完成車の叩き売りの理由が裏付けられてちょっと感動ですw

日本では正規ルート以外で仕入れたものをバッタモノと呼びます。当然ながらB級も混じっている可能性もあり、保証もありません。

>ぶらりさん
お役に立てて幸いです
こういうものだと理解した上で、お買い得度を判断すれば良いんじゃないかと思います~

ちなみにエディ・メルクスはさらに買収なども絡んで・・・w

>通りすがりさん
海外通販各社が扱っているこの手の商品は保証はメーカー保証と同等のものがついていることが多いですね。

それらの条件を加味して割に合わないと思う場合は、国内の代理店品を選ぶのも考え方だと思います。より多くの情報を持ち合理的に判断すれば良いのかなと

ドラゴン覗いてみたら、inaさん味の文法になってますねw
工場放出面白いです。
そして、工場は嫌気が刺し自社ブランドを立ち上げるという流れですね。

話は変わるんですが、中国のレンタサイクルに採用されてている穴だらけのノーパンクタイヤのレポートをする機会があったらお願いします。
また、入手方法も可能であったらレポ頂くと助かります。

>本家名無しさん
やっぱり僕の雰囲気が出てますか(笑)
まぁ、手伝っていることは自分で書いているんで、わかっても良いのですが・・・

あのタイヤ、タオバオとかを覗けば売ってそうな気はします。
何しろフレームからGPS付きの鍵まで、全てバラで買えますから・・・

正規ルート以外で仕入れたものを、正規代理店で保証を受けようという奴はバッカモンと呼びます。

自分も含め、外通で自転車やその部品を購入する人たちは
自分で整備や調整をしていると思うんですよ。
あるいは、出自がわかっていても受け入れてくれるSHOPに任せるという場合もあるでしょうが。

inaさんの言われるように、情報を多く持ち、
自分にとって都合が良い方を選択すればよいのではないかと。

>通りすがり2さん
中の人と話していたのですが、日本人のお客さんは保証の細部にこだわる方が多いといってました。台湾ほか海外の顧客はそのへん割り切っていて「安く買えたんだからOK」という感じらしいのですが、日本人のお客さんは全く同じを求める傾向が強いらしいです

気持ちはわかりますが、それで結局高い買い物になったら面白くないなぁと、僕みたいな人は思うのですが(笑)

inaさん、
この記事は非常に面白く、為になりました。

これまで、海外通販で完成車・フレームを4回も購入したことがあります。
偽物ではないと思いつつも、返品や倒産ショップの在庫処分品などワケありだろう...とは思っていました。

DragonBikeのHPを拝見しましたが、
なんで海外から購入したものに保証を求めるのか、個人的には理解できません。
車でも並行輸入車は安いものの、メーカー保証はないのは当たり前なのに...

ちなみに、国内大手の某ショップで、フレームをバーゲンで買ったのですが、
ショップで組立てしない場合はメーカー保証はできません、と言われました。

結局、保証なしで自分で組立てましたが、
国内大手でもこの対応ですので、海外購入だと当たり前だと思うのですが。

>海外通販愛好者さん
この手の話、もうちょっと言っちゃうと実は保証はあってもあまり意味が無いんですよね・・・。

各ブランドの保証規定って実はかなり厳しく、永久保証を歌っているようなブランドだと特にあれなので。しかも、各ブランドの保証内容には「購入店舗までの往復送料」が含まれてないので、どの程度保証してくるかわからない状況で数万円かけてショップまで送り返さなきゃならず、通常は「それなら新しいの買おうか」ってなるので・・・

結局、保証はあっても使わないので「じゃ、最初に安く買えればそのほうがいいや」ってのが台湾はじめ海外ユーザーの流れなのだそうです。

ショップで組み立てないと保証対象にならないような規定なら、通販で買って自分で組んだらその時点で無保証ってことなのでなおさらですよね~

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