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コスパの高いホイールやフレームで評判の台湾ブランドPRO-LITE(プロライト)の工場に潜入してその安さの秘密に迫ってきたレポート

PRO-LITEの工場に潜入してその安さの秘密に迫る!?

スペックの割に価格が圧倒的に安く、日本ではほぼ無名なのにヨーロッパでは各種の賞を受賞したりして、以前から気になってたりしてちょこちょこ紹介していたPRO-LITE(プロライト)。

そんなPRO-LITEから「HEY ina! 台湾まで来れば工場を見せてやるぜ!」というナイスなお誘いをいただきまして再び自転車天国 台湾まで行ってきた次第です♪いや、人生何があるか分からないものですね、こんな個人サイトの管理人に工場見学させてくれるとか(笑)

PRO-LITEってどんな会社?

まずはPRO-LITE(プロライト)ってどんな会社?ってところから。
PRO-LITEは台湾にあるホイール&フレームの製造メーカー。多くのホイールブランドは自社工場を持たずに台湾か中国辺りの工場に生産委託をしたりしていますが、PRO-LITEは全ての商品を自社工場で生産すると共に密かに他ブランドの製品まで作っているという業界の陰の実力者的会社。

なるほど、高いコスパの秘密はこれか・・・
他ブランドの仕入れ原価くらいで販売できたら、そりゃ、あの価格も納得。

日本ではほぼ無名ですがメーカーとしての歴史はかなり長く、もともとプロのレーサーとして活躍した社長のSteve氏が台湾のパートナーと協力して起業し、この記事を書いている時点で30年以上の歴史がある会社なのだとか。

実際、台湾の自転車業界ではかなりの重鎮らしく大手ブランドの偉い人はみんなお友達みたいです。

こちらが社長のSteve氏。
偉い人なのにメッチャ気さくでいい人、そして超エネルギッシュ(笑)

ツイッターとフェイスブックに書いた超アレなフレームはPRO-LITEの事務所で発見した物でした~。

安さの秘密は?

まず一つ目は、自社工場生産
多くの他ブランドのように外注生産をせずカーボン&アルミの製品はほぼ自社工場で生産しています。このためもともとコストが安い。一方、自社生産は固定費が嵩むのが難点ですが、あとで紹介するように出来るだけ固定費を押さえるように工夫しているらしく、上手いことバランス取ってるなって感じ。

もう一つは広告宣伝に関する考え方。
自転車業界の宣伝手法って良くも悪くもプロチームへのスポンサードじゃないですか?ユーザーの目にもとまりやすいし、実績が出ればバーンと一発当てられて無名のブランドも一発逆転的な・・・。

しかしこれには超お金が掛かることも事実。となれば、その分のコストは製品に転化せざるを得ず、それってユーザーのメリット的にどうなのよ?っていうのがPRO-LITEの考え方。なのでプロチームへのスポンサードはほとんどしておらず、その分、スペックと価格で勝負するという質実剛健な思想なのです。

実はユーザーとしては、そっちの方がありがたいですよね~
良い物が安く買えるならそれが一番なワケで。

反面、なかなかブランド名が響かず、特に英語圏ではない日本では無名だったりしたわけですが・・・。

実はサポートに力を入れてる

もう一つ、ユーザー的に気になるのがサポート。
安いホイールといえば中華カーボンという選択肢もありますが、あちらはノークレーム、ノーサポート、ノー品質保証が基本です。安い買い物じゃないし命を預けるパーツなのでそれじゃ困るってのはあるわけで、PRO-LITEはその辺も力を入れています。

トラブル時は、まず直接連絡してくれ!
とのことで、販売店を介さずメーカーに直で連絡してOKだそうです。PRO-LITE製品には全て個別の生産番号が記載されているのでそれを記載の上こちらのページから連絡すればメーカーが直で対応するそうです。

日本人的には英語でクレームというのが若干ハードルが高いですが、その辺は日本ユーザーが増えたら考えてくれるんじゃないかなと密かに期待。(英語がダメな場合は販売店経由で連絡しても大丈夫です。)

もう一つはパーツ供給。
海外通販でホイールを買った場合に困るのが補修パーツの入手手段だったりするのですが、PRO-LITEは自社で補修パーツ販売用のショッピングサイトを持ってて、こちらから注文すればすぐに補修パーツを送ってくれるそうです。

海外通販サイトは細かい補修部品まで扱ってないので自社で対応してくれるってのはありがたいですね。特にカーボンホイール用の専用パッドとか売ってるのはありがたいかも。

PRO-LITEの工場ってどんなところ?

と、前置きが長くなりすぎましたがPRO-LITEの工場の様子をレポートします!
日本では無名ブランドなので日本語での紹介は当サイトが初!?

PRO-LITEの工場はいくつかあるのですが、なぜかどこも看板がない。。。
OEMで他ブランドの生産を受けている関係で、いろいろ大人の事情があるのだとか

で、中に入ると・・・

ホントにメッチャ手作りしてた!
よくハンドメイドとか言いますが、これぞまさにハンドメイドだよっていうくらい手作り。

なるほどこれなら巨額の設備投資がいらず、製品ラインナップの変更や生産量の変動にも柔軟に対応できると。でも、ホント手作りなので彼女は1日に1本しか巻けないといってました。安定した品質を維持するには技術と経験がいるので常に人手不足とか。

手作りといっても適当に作ってるわけではなく、使う材料は全て設計してカット済みのものを貼り合わせていきます。僕はカーボンホイールの生産工程を見るのは初めてなのですが、こういう風に作るのかと関心しまくり。

貼り合わせたホイールの元は、こちらの機械で型に入れた状態で圧力と温度を加えることで一体化し、いわゆる成型されたカーボンの状態になります。こちらの機械はかなり高い圧力を掛けられるらしく、結果、樹脂部分が少なく強度の高いカーボン素材が作れるのだそうです。

こんな感じの物が出来ます。

アルミの溶接加工ラインも自社内に持ってる。

溶接完了したフレームがずらり。
こちらは某社にOEM品として出荷する商品とのこと。

続いて組み立て工程なのですが、残念ながら今日は組み立て工程が動いてませんでした。組み立て工程についてはPRO-LITEの英語版ビデオでも紹介されていますが、置いてある機械やお聞きした手法はビデオとほぼ同じでした。

組み立て工程では、数本ホイールを組み立てるごと、また、もし機器を落としたりぶつけたりしたらその都度ごとに機器の校正を行い正確な測定を心がけているとのこと。組み立て工程のすぐ隣に校正場があって、いつでも校正行けるぜ的な。

組み立ての様子はこちらのビデオで紹介されています。

ちょっと面白かったのが品質検査。
こちら品質検査で差し戻しになった棚なのですが、結構たくさんの・・・。でも、社長曰く、それで良いんだそうです。それだけ厳しく品質検査をして、ダメな物はもう一度組み立て工程に戻してきちっと仕上がるまで調整することで品質が安定するのだとか。なるほど。

PRO-LITE、いいんじゃね?

ホントは記事に書ききれてないくらいいろんなことを聞いたのですが、総じて共通していたのがユーザー目線で価値ある商品を届けようという姿勢。品質管理にも相当手間暇掛かっているし、広告に関する考え方、それからサポート体制と僕的に共感する部分が多いなぁと。

素直にこういう会社は好き。

マーケティングばっかり上手くて値段は高いしってメーカーよりかなり好感が持てます。もちろん、そうはいっても製品の性能が一番大事なのですが、興味をそそるには十分かなと。で、お願いしたら今後商品をお借りしてレビューなどもさせてもらえることになりました。ラッキー♪

なので、今後、定期的にレビューなどもお届けできるかと思いますので興味のある方はしばしお待ちを。また、使っている方がいらっしゃいましたら是非感想など教えてくださいませ~

追記:プロライトの紹介ビデオができました

上記訪問後プロライトさんに頼まれて日本語の紹介ビデオの作成を手伝いました。で、できたのが以下のビデオです。ビデオ内で下手なナレーションをしているのが僕ですが、よかったら見てやってくださいませ~

Pro Lite Bortola A21 アロイクリンチャーホイールで走ってきたよ

ちょっとおまけで軽いレビュー。
実は工場見学の前に「一緒に走りに行こうぜ!」と誘われて、Pro LiteのフレームにBortola A21 アロイクリンチャーホイールを履かせたバイクをお借りして走ってきました。ホントはもっとスペシャルなバイクを用意してくれてたのですが、サイズが合わずで無念・・・。

で、お借りしたのがこちら。
体の小さな僕に合う試乗車がレディースしか無くて、なぜかピンクのバイクにw

そしてホイールはPro Lite Bortola A21 アロイクリンチャー。
Wiggleで49,765円で売っているもので、21mmとロープロファイルで前後セット1473gとこの値段としてはなかなか軽量なアルミ製ホイールです。

これがですね、良い感じに軽快なホイール♪
ホイール自体の剛性が高いのか、キリっ、スパッと走る感じで、最近香港で乗っているForza Elite 105についている鉄下駄ホイールとは雲泥の差です(笑)

ロードバイクを完成車で買うとよっぽどイイバイクじゃなければ鉄下駄レベルのホイールが付いているので、まず一番最初に交換してその効果を十二分に体感できると思います。

フレームも良い物だったのでホイールのみの公平な感想が書けないのですが、ここ2,3ヶ月運動不足でダラケきっている僕でも、なんとかパワフルなPRO-LITE社の皆さんについて行ける程度のパフォーマンスを発揮してくれました(笑)

お借りする機会があればもうちょっと詳細に書きたいと思います。
っていうか、この値段であの走りならForza Elite 105のホイール換えようかな・・・

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この記事へのコメント(10件) |コメント入力欄へ

貴重なレポートお疲れ様です。

私は2年程前からBracciano A27を使ってます。
購入理由はコチラの記事やネットの評価、価格の安さ、そして何より完組ホイールでは数少ないポリッシュシルバーの設定があったから。
クロモリのホリゾンタルフレームにパーツ類はシルバー系で統一していたので、見つけた時は速攻でポチりました。

まずはとにかく良く廻ります。
タイヤを組まずにホイールだけで廻すと、そっと触れる程度でも
「いつ止まるの?」
って感じに廻り続けます。
たまたまアタリを引いたのかと思ってましたが、レポートを読むとコレがPRO-LITEの品質なんですね。

実走ですが、このフレームに他のホイールを履いた事が無いので比較は出来ませんが、25〜30kmの巡航が非常にラクです。(カーボンフレーム+カーボンホイールと比較して)
フレームの重さも手伝ってか(笑)一定速を保ってスーーーっと進んでいきます。

性能的にも価格的にもとても良いホイールだと思います。

>かぷちさん
早速感想ありがとうございます!
僕も今回乗ってみて、ハブがよく回るなぁと思ってました。日本のEZOハブがお気に入りでこれしかない!と言ってましたが、日本品質のおかげでしょうか(笑

以前wiggleで購入したBracciano A27のスポークが折れてしまったので上記リンクよりメーカーにメールしてみたのですがなかなか連絡がありません。5日経ちましたが、再度連絡を取ったほうがよろしいでしょうか?

>nishiさん
先週まで台北ショーだったのでサボっている可能性がありますね・・・
しつこくメールしてみてくださいませ~

はじめまして、こんにちは。
1年以上前の記事で申し訳ないのですが質問させてください。
台湾で買う方がwiggleで買うより安いですか?
旅行ついでに買って帰るのもありかなぁと思いまして。

>tomaさん
すいません、台湾の店頭価格はちょっとわからないです~

一年前にpro-liteのカーボンディープを購入しましたが、ブレーキ面に不具合があり直接pro-liteに送りました。

今既に8ヶ月になりますが、まだ帰ってきません。連絡は来るのですが、上海サイクルショーがあるから忙しい、少し待ってくれとか、こちらに関係のない理由でひたすら伸ばされてます。
リムは出来上がったと先月きましたが、それから約束の日がきても連絡なし、こちらからのメールにもついに反応しなくなりました。

見た目が気に入っていたので気長にまってましたが、もう限界です。

こちらで書いてあるように、アフターサービスは決していい会社ではないと自分はかんじましたので、皆さんが同じ目に遭わないようにコメントさせていただきました。

>YOSHIAKIさん
情報ありがとうございます
最近Pro-Liteのサポータがダメな情報を複数頂いてます(T T)

おそらく今月のバイクウィークに偉い人がいると思うので伝えておきます!

不良品として台湾に送って1年かかりましたが、ホイールついに帰ってきました。
が、やっぱりブレーキに不具合ありです。新しいリムに変えたといってきましたが、やっぱりカーボンリムはこのメーカーはやめたほうがいいと完全に言えます。
アルミリムは1年使ってますが、問題ありません。

>YOSHIAKIさん
1年はいかんですね・・・
一体何をしていたのか・・・

先日、台湾で社長と会ったので最近サポートがいまいちだと聞いているとクレームしておいたのですが・・・

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